【福祉から雇用応援事業】 就労支援担当職員のための勉強会・交流会 (2016/1/15)開催

【福祉から雇用応援事業】 就労支援担当職員のための勉強会・交流会 (2016/1/15)開催

京都府障害者「福祉から雇用」応援事業 支援事例レポートVol.3「福祉から雇用」応援事業の就労支援は就職だけが成果ではなく、その過程が大切! ―『 就労支援担当職員のための勉強会・交流会 』報告―

(監修)特定非営利活動法人 京都ほっとはあとセンター

去る1月15日に「福祉から雇用」応援事業の一環として『就労支援担当職員のための勉強会・交流会』を開催いたしました。この会は、本事業により、初めて就労支援担当となり、その取り組みを開始から4ヶ月から2年未満の職員の方を対象にお集まりいただき実施いたしました。

当日は7事業所8名の職員のご参加で、当センター就労移行支援員が設定した下記の四つのテーマに沿ってグループデイスカッション形式で就労継続支援A型・B型での就労支援の現状や課題を話し合い、今後の支援のあり方ついて意見交換がなされました。

【テーマ】

  • 「B型(A型)事業所で働くあなたの支援について」
  • 「就労支援を進めるとき、気がかりなこと、不安なこと、わからないことは何か」
  • 「あなたの就労支援について、周囲の反応はいかがですか」
  • 「就労支援をすることは、あなたにとってどの様な意味がありますか」

今回の勉強会・交流会では、職員それぞれが担当する個別ケースを取り上げるのではなく、主に支援者としての自分自身に焦点をあて、支援者としてどうありたいかを語り合い、共有し、考えることを目的としました。

B型事業所の多くは、言うまでもなく、利用者の工賃向上を目指しての事業所支援が展開されています。その一方で、就労支援に「取り組む余裕があるのか」、「どのように取り組めばよいのか」ということが問題となることもしばしばです。
そのような状況下で、実際に、就労支援を進めている職員の一人ひとりの気づきや思いを出し合う中で、この課題への対応のあり方を考えるヒントが含まれているように思います。

参加職員の方の声

まずは、就労支援は、日々の作業訓練のなかで”就労の視点“を持つことから始まります。就労移行支援事業所では当たり前のことですが、B型事業所では、かなり強く意識して行わなければ難しいことです。就労の視点を持つことで利用者の方、一人ひとりの可能性や課題が、これまでと違った形で明らかになり、それに基いた日々の訓練支援内容に具体的な取り組みや目標が生まれ、支援の幅が広がります。

就労支援を進めていくうちに気づくことは、利用者自身の中で少しずつ、自己理解が進み、何らかの自己変革がもたらされるということです。 このことは、なにも利用者の方に限ったことではありません。むしろ、支援者としての”私“が、B型事業所での支援・就労支援のあり方など、様々なことについて、多様な見方や考え方を持つことが必要だと思うように変わり始めました。

就労支援では、就職だけが成果・結果とみなされがちですが、その過程において、利用者・支援者双方の変革こそが、その支援の大きな意味の一つだということを周囲に理解されたいです。そして、それが事業所内で共通した認識になれば、B型事業所での就労支援も比較的スムーズにおこなわれるようになると感じます。しかし、現状は厳しいです。   

                      

「福祉から雇用」応援事業/就労移行支援員の一口コメント

初めての就労支援の中で、担当の職員の方々は、日々考え、立ち止まり、迷いながらも、その支援から多くのことを感じ、学ばれている様子が伺えます。

 平成25年度から開始した「福祉から雇用」応援事業、三年目を迎えたH27年度は主に事業所支援を方針として展開してきました。その目的の大きな柱の一つが、職員の方々の就労に関するスキルアップです。就労支援の流れや支援機関との繋がり方などの体系的なスキルだけでなく、支援員としての内面的な変化が起こっていることを知ることができた勉強会・交流会でした。

 事業所で職員の方々が、「利用者の方の成長(ステップアップ)」を目標に支援をされるのと同様に、「福祉から雇用」では、事業所の職員の方々、そして事業所全体の就労支援に関するステップアップをお手伝いさせて頂いていることを実感しました。

以上